エンジニアや情シス部門の社員が転職や異動で職場を変える際、最も重要なステップの一つが「引き継ぎ」です。
しかし、業務の内容や詳細を適切に伝えるための具体的な方法を知っている人は少ないかもしれません。
この記事では、エンジニアや情シス部門の社員が業務を引き継ぐ際に必要な知識やスキル、手順について詳しく解説します。
この記事を読むことで、次に引き継ぎを行う際、円滑に業務を進め、後任者に安心して業務を任せられるようになるでしょう。
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仕事の引き継ぎって何から始める?
エンジニアや情シス部門における仕事の引き継ぎは、まず以下のステップから始めると効果的です。
最初に、プロジェクトの全体像を把握するための内容を資料として作成します。
これは、プロジェクトの目的、進行状況、重要な資料やコードの場所を明記したものです。
次に、現状のタスクリストや問題点を整理し、優先順位をつけてまとめます。
さらに、使用しているツールや環境設定の詳細、関連するアカウント情報も共有します。
最後に、直接の引き継ぎミーティングを行い、質疑応答の時間を設けて疑問点を解消します。
この手順を踏むことで、スムーズな引き継ぎが可能になります。
エンジニア・情報シス部門が引き継ぎ資料に記載すべき項目・内容
エンジニア・情シス部門の引き継ぎ資料には、具体的に何を記載すべきなのでしょうか。
以下では、エンジニアや情シス部門の社員が引き継ぎ資料に含めるべき主要な項目・内容を詳しく見ていきます。
これらの項目・内容を理解し、適切に引き継ぎ資料に反映することで、後任者はスムーズに業務を引き継ぎ、あなたは安心して次のステップに進むことができます。
システム概要や導入目的
システム概要や導入目的は、引き継ぎ資料の最初に記載します。
これは、システムが何をするためのもので、どのような背景で導入されたのかを説明する部分です。
例えば、顧客管理システムなら、顧客情報の一元管理と効率的な対応を目的としていることを明記します。
これにより、引き継ぐ人がシステムの基本的な役割と重要性を理解しやすくなります。
そのため、後任者でも、この部分を読むだけでシステムの全体像を把握できます。
システムの業務要件
業務要件は、システムが満たすべき具体的な機能や条件を詳細に記載する部分です。
例えば、システムが月次レポートを自動生成する必要がある場合、それを明確に記載します。
また、特定の法規制に準拠する必要がある場合もここに記載します。
業務要件を詳しく書くことで、引き継ぐ人が何を重要視しなければならないかを理解し、必要な機能を確実に維持・改善できるようになります。
業務の流れと手順(保守業務も含む)
業務の流れと手順では、日常的な業務がどのように進行するかを具体的に説明します。
例えば、データの入力からレポートの生成までのステップを順を追って記載します。
各ステップで使用するツールやシステム内の機能、注意点も明記します。
これにより、引き継ぐ人が実際の業務をスムーズに進められるようになり、後任者でも手順を追うだけで業務を遂行できるようになります。
現状課題
現状課題では、現在のシステムや業務における問題点や改善が必要な箇所を記載します。
例えば、システムの処理速度が遅い、特定の機能が頻繁にエラーを起こすなどの具体的な問題を挙げます。
この情報を共有することで、引き継ぐ人がどの部分に注意を払い、優先的に対処すべきかを理解できます。
現状課題を明確にすることで、引き継ぎ後の改善策も考えやすくなります。
社内外の関係者
社内外の関係者の項目では、システムや業務に関連する重要な人物や組織を記載します。
例えば、システム管理者、主要なユーザー、外部のベンダーなどです。それぞれの役割や連絡先情報も明記します。
この情報を知っておくことで、引き継ぐ人が必要なときに適切な人に連絡を取れるようになります。
関係者との連携がスムーズになることで、問題解決や業務の円滑な進行が期待できます。
イレギュラーな事態への対応方法
イレギュラーな事態への対応方法では、想定外の問題や緊急事態が発生した場合の対処法を記載します。
例えば、システムがダウンした際の手順や、特定のエラーが発生したときの対応策を詳細に解説します。
これにより、引き継ぐ人が予期せぬトラブルに対しても迅速に対応できるようになります。
具体的な対応手順が記載されていることで、後任者でも冷静に対処することが可能です。
資料の保管場所・参照先
資料の保管場所・参照先では、システムに関連する資料やデータの保存場所を明示します。
例えば、共有ドライブのフォルダ名や、特定のウェブサイトのURLなどです。
これを記載することで、システムを運用する人等が必要な情報を迅速に見つけ出せるようになります。
また、最新の情報にアクセスできるように定期的に更新されていることを確認し、その方法も伝えることが重要です。
エンジニア・情シス部門の仕事引き継ぎを進める手順5つ
このガイドでは、エンジニアや情シスの仕事引き継ぎに必要な手順と記載項目を詳しく解説します。
また、引き継ぎ資料を作成する際の注意点や、引き継ぎ後にすべきことについても説明します。
これらの情報を元に、あなたが次回引き継ぎを行う際に円滑に進められるようになることでしょう。
1:業務内容をリスト化する
2:引き継ぎの計画を立てる
3:引き継ぎ書の内容を考える
4:引き継ぎ書を作る
5:後任の人に引き継ぐ
1:業務内容をリスト化する
まず、現在担当している業務内容をリスト化します。
これは、日常的なタスクからプロジェクトまで、全ての業務を具体的に書き出す作業です。
例えば、毎日のデータバックアップ、月次報告書の作成、新しい機能の開発などです。
業務内容をリスト化することで、自分が担当している仕事の全体像を明確にし、引き継ぎの範囲を把握することができます。
後任者でも、自分の仕事を整理し、次のステップに進む基盤を作ることがポイントです。
2:引き継ぎの計画を立てる
次に、引き継ぎの計画を立てます。
これは、引き継ぎのタイムラインや、どの業務をどの順番で引き継ぐかを決める作業です。
例えば、1週間目には日常業務を、2週間目にはプロジェクト業務を引き継ぐ、といった具体的なスケジュールを作ります。
また、必要なミーティングやトレーニングの計画も含めます。
計画を立てることで、引き継ぎがスムーズに進み、後任者も無理なく業務を覚えることができます。
3:引き継ぎ書の内容を考える
引き継ぎ書の内容を考えるステップでは、後任者に伝えるべき情報を整理します。
これは、業務の詳細な手順や注意点、使用するツールやシステムの説明などを含みます。
具体的には、各業務の目的、ステップバイステップの手順、関連する資料やファイルの場所などです。
引き継ぎ書の内容をしっかりと考えることで、後任者が迷わずに業務を遂行できるようになります。
後任者でも、業務に必要な情報を体系的に整理することが重要です。
4:引き継ぎ書を作る
引き継ぎ書を作る段階では、前のステップで整理した内容を具体的な資料にまとめます。
分かりやすい言葉を使い、必要な情報を網羅するように心がけます。
例えば、業務の手順を箇条書きにしたり、重要なポイントに強調を加えたりします。
また、図やスクリーンショットを活用して視覚的にも理解しやすい資料を作成します。
引き継ぎ書を丁寧に作成することで、後任者が実際の業務をスムーズに始められるようになります。
5:後任の人に引き継ぐ
最後に、後任者に実際に業務を引き継ぎます。
このステップでは、引き継ぎ書に基づいて業務を一緒に行いながら説明し、疑問点を解消します。
また、後任者が独自に業務を行う練習の時間も設けます。
必要に応じて、サポートやフィードバックを提供しながら、徐々に業務を完全に引き継ぎます。
直接の引き継ぎを通じて、後任者が自信を持って業務を遂行できるようになります。
後任者でも、丁寧なサポートを受けることでスムーズに業務を引き継ぐことができます。
エンジニア・情シス部門の引き継ぎ資料を作成するときの注意点
この章では、エンジニア・情シス部門が引き継ぎ資料を作成する際に注意すべき点を詳しく解説します。
引き継ぎ資料は後任者がスムーズに業務を開始できるための重要なツールですが、その作成には一定の注意が必要です。
以下の項目を参照して、効果的な引き継ぎ資料を作成しましょう。
エンジニア・情シス部門の引き継ぎ資料を作成するときの注意点
・文章だけで作成しない
・手順だけの引き継ぎ資料を作成しない
・すべての関係者を洗い出す
・資料に記載がない口頭だけでの説明はしない
・トラブルが起きやすい箇所はチェックする
文章だけで作成しない
引き継ぎ資料は、文章だけで作成しないことが重要です。
文章だけでは情報が抽象的になりやすく、理解しづらいことがあります。
そのため、図やフローチャート、スクリーンショットを活用して視覚的にわかりやすくする工夫が必要です。
例えば、システムの構造を示す図や、操作手順をスクリーンショット付きで説明することで、後任者が具体的にイメージしやすくなります。
視覚的な要素を取り入れることで、後任者でもスムーズに理解できます。
手順だけの引き継ぎ資料を作成しない
引き継ぎ資料を作成する際、手順だけを羅列するのでは不十分です。
手順に加えて、その手順を行う目的や背景、注意点も記載することが大切です。
例えば、ある操作を行う理由や、その操作がどのような結果を生むのかを説明します。
これにより、後任者が手順の意味を理解し、状況に応じて柔軟に対応できるようになります。
単なる手順書ではなく、コンテキストを含む資料を作成することで、引き継ぎやシステムの運用保守がよりやりやすくなります。
すべての関係者を洗い出す
引き継ぎ資料には、すべての関係者を明確に記載することが重要です。
プロジェクトに関連する内部のメンバーだけでなく、外部のベンダーやクライアントも含めます。
それぞれの役割や連絡先情報も詳細に記載します。
これにより、後任者が必要なときに適切な人に連絡を取ることができ、スムーズに業務を進められます。
関係者の情報を網羅することで、連携が円滑になり、トラブル対応も迅速になります。
資料に記載がない口頭だけでの説明はしない
引き継ぎの際に、重要な情報を口頭だけで説明するのは避けましょう。
口頭だけでは情報が漏れやすく、後任者が後で確認できないためです。
すべての重要な情報は、必ず引き継ぎ資料に記載し、資料として残すことが大切です。
これにより、後任者が必要な情報をいつでも参照でき、業務の継続性が保たれます。
資料に残すことで、情報の正確性と一貫性が確保されます。
トラブルが起きやすい箇所はチェックする
引き継ぎ資料には、トラブルが起きやすい箇所を特に注意して記載します。
過去に問題が発生した部分や、エラーが頻発する箇所などを明確に示し、その対応策も記載します。
例えば、特定の操作でシステムが停止するリスクがある場合、その回避方法や緊急時のシステム保守の対処法を詳しく説明します。
これにより、後任者が事前に注意を払い、トラブルを未然に防ぐことができます。
問題箇所のチェックリストを作成することで、安心して業務を引き継げるようになります。
仕事引き継ぎ後に実施する必要のある事とは
エンジニアや情シス部門の社員が仕事の引き継ぎ後にすべきことには、以下のステップが含まれます。
まず、引き継いだ業務を実際に行い、手順やシステムが正しく機能するかを確認します。
次に、疑問点や不明な点があれば、前任者やチームメンバーに質問し、早めに解決します。
また、引き継ぎ資料を見直し、不足している情報や改善点を追記することも重要です。
さらに、定期的にミーティングを開き、業務の進行状況や問題点を報告し、フィードバックを受け取ります。
これにより、引き継ぎ後の業務がスムーズに進み、品質を維持できます。
ポイントをしっかり押さえて仕事引き継ぎを済ませよう!
エンジニアや情シス部門の社員がの仕事引き継ぎは、業務内容のリスト化から始まり、引き継ぎの計画立案、引き継ぎ書の内容考案、引き継ぎ書の作成、そして実際の引き継ぎという5つのステップで進めます。
引き継ぎ資料にはシステム概要、業務要件、業務の流れと手順、現状課題、関係者情報、イレギュラーな事態への対応方法、資料の保管場所・参照先などを網羅的に記載するのがポイントです。
また、視覚的な要素を取り入れて理解しやすくし、手順だけでなく背景や目的も説明し、関係者全員を洗い出し、口頭説明だけでなく全てを資料化し、トラブルが起きやすい箇所を特に注意深く記載することが大切です。
これらを踏まえた引き継ぎを行うことで、スムーズな業務継続が可能となります。
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